第26話

私が飲み終わると優也は優しく笑って言った


「…そろそろ行こっか」


その言葉に私は小さく頷いて、また二人並んで歩き始めた


それと同時に私達の間には再び、沈黙が流れた


そして、暫く歩いた後、優也の手と私の手が軽く当たった


2~3回当たった時、優也の指が私の指に絡んできた


“あぁ、手を繋ぐんだな”ってすぐに分かった


でも、頭とは裏腹に、私の心臓は緊張で高鳴りっぱなしだった


繋いだ手からは優也の温もりが伝わってくる


私の温もりも多分、優也に伝わっていると思う


その温もりと一緒に、心臓の音も伝わってしまうんじゃないかって、更にドキドキした




でも、不思議と嫌ではなかった―――


それどころか心臓の音が伝わってしまうかもしれないのにも関わらず、何故か、もっと繋いでいたいとすら思った


その位、心地よかった―――

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