第24話

……それって、間接キスってやつじゃ……


「…いやっ……」


そう言って、慌てて断ろうとすると、ビー玉の瞳はまた優しく笑って言った


「…俺にもちょうだい………午後ティー、俺も飲んでみたい……」


そう言って私達は、午後ティーとココアを分け合って飲んだ


…他の子にとっては普通の事なのかもしれない


でも、恋愛経験のない私にとっては、優也が飲んだココアを飲むと言うだけでも、すごく緊張した


一口、ココアを口にすると、途端に甘さが口に広がっていく


そして、飲み込むと、暖かいものが体に入っていく感覚がもろに伝わって、体中が暖かくなった気がした―――…


…何となく、優也に似ているなと思った


……温かくて、ビー玉のような瞳で優しく笑う


優也は冬のココアみたいな人だと思った―――…



でも、私はあの時、あなたに何も買ってあげる事が出来なかった―――…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る