第38話
「謙信。近ごろ.月でも.妖魔達が出現しておると聞いたが.何か知ってるか?」
信長は謙信に聞いた。
「天照大御神がいる。」
「ちょっと待て。歳子は俺達といるぞ。」
「正確に言うと.天照大御神になりたかった女の子がいる。彼女は地球にいたころ.統合失調症になり.自分は天照大御神だと言ってた。気がふれたと思われ.若き頃から.死ぬまで精神科で隔離された。俺は.かわいそうだと思い.彼女を天照大御神として.扱ってる。彼女の出たかった思いが妖魔達を呼んだ。」
「わかるわ…。彼女の気持ち…。私も閉じ込められたことあるから…。」
歳子は.おぼろげながら.言った。
「俺もわかる。」
「歳久!」
義弘は叫んだ。
「妖魔達が月にもいるんだぞ!それでもいいのか!」
「兄上の言う通りだぞ!」
家久も続けて言った。
「妖魔達を月からなくすためには.彼女を生まれ変わすしかない…。」
謙信は.少し悲しそうに言った。
「謙信!」
「美奈。」
「桃がいっぱいとれたの。見て!」
小柄なかわいらしい女の子が笑顔溢れんばかりに謙信のところにきた。
「豊作だ。美奈。良かったな。」
「うん。」
「他の桃もみておいで。」
「うん!楽しみにしててね!」
「わかった。」
謙信は.優しそうに答えた。
「母上様が.ふたり愛し合ってるのねって。」
「……。」
謙信は黙った。
「事情がわかったが.美奈殿には生まれ変わってもらわねばならね。」
信長は.やむを得ず言った。
バサッ。
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