第15話
わたしや静雄の家族は、大きな洋館に住み、広い土地に住んでいる。馬鹿馬鹿しい。日本民族全てがこんな優雅な生活を送れているようには思えない。まあ、日本民族の現実を見たいのならば、彼らは彼らの暮らしを見つめればいいだけだ。わたしたちの暮らしは一つの夢であり、演出なのだろう。
ある日生母が消え、数年経ってから義母が現れた。静雄の家でも似たようなことがあったのだという。生母は夜中にふと消え、それ以来帰ってこなかった。父の晴れ晴れとした顔が疎ましかった。
わたしたちはメンバーを替え、加えながらこのチャンネルを維持している。父の少年時代には静雄の家だってなかったのだ。ある日突然、新しい家が反対隣にできていたっておかしくない。それでもわたしたちはいつの間に親しみ、穏やかに暮らすだろう。新しく来た彼らも、わたしたちの同類なのだから。
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