第35話

「咲、行こうか。」

「うん。」


平井秀知が車を運転している間、助手席の咲は、うつむいたまま。


「着いたよ。」

「うん。えっ?ラブホテル!?私、まだっ、」

「バーカ。そんな男じゃねーよ。俺は。お前、泣きそうな顔してる。人に見られたくねーだろ。咲の性格は。行くぞ!」


咲は黙ってついていく。


「おっかわいい部屋じゃん。」

「うっ。ぐすっ。」

「泣きたい時は、思いっきり泣け。そうしたら、楽になれるから。」


そう言って平井秀知は、咲を自分の胸元へ引き寄せた。

咲は、大泣きした。


平井秀知は、黙って、咲を抱きしめている。


しばらくして、咲は泣き止んだ。

そして、、、。

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