北原精神科病院。

「石田さん、退院ね。どう？新しい病院は。」

「はい。看護師さん。とても良かったです。」

「お家に帰っても規則正しくね。」

「はーい！」

翌日、咲の携帯が鳴る。

「もしもし。」

「咲？」

「平井君。」

「今から、会える？」

「うん。」

「じゃあ、この間の漫喫で。」

「うん。分かった。」

漫喫。

「いらっしゃいませー。」

「広いボックスで。」

平井秀知は、そう言うと咲と一緒にボックスに入る。

「咲、俺が間違ってた。俺は幸せになりたいんだ。」

「えっ？」

「斉藤さんも俺達が幸せにならなきゃ、浮かばれない。もう一度、俺と結婚してくれるか？」

「平井君のことは好きだよ。でも、結婚は早いと思う。お互いのプライベートも良く知らないし。」

「咲にプライベートなんかあるの？」

「うるさいなぁ！」

「待つよ。今は、咲は俺の彼女。それでいい？」

「うん！」

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