第17話

「よっ!平井君。久しぶり!」

「石田さん、また来たの!」

と言いつつ、むっちゃ嬉しい!

「またとはなんだ!またとは!」

「いや、別に。ゆっくり休息してってね。」

「はーい。」

「石田さん、ゆっくりしてってね。」

「王子様!」

「こらっ。」

と言いつつ、倉藤さんは嬉しそうだ。フンッ。何が王子様だ。


「平井君!キスしたい!」

「杉澤さん!ダメです!ほら、あっち行って。」

杉澤洋子はがっかりして、あっちへ行った。


「平井君、もてもてじゃん!」

「石田さん、チヤホヤされてるだけだよ。」


入院患者さんのおばちゃんが近づいてくる。


「平井さん、男と女がぁ、その、」

「何?」

「そういうことする所ぉ、」

「ラブホテル?」

「そう、行ったことある?」

「あるよ。」


平井秀知は、照れ臭そうに答えた。

咲はニタニタしている。


確かにあるんだけど、この歳でないと言ったら、だっせーし、あるとも石田さんの前では言いたくなかったんだよな。石田さんはというと、ニタニタしてるし。杉澤さんはキスしたいなんて言うし。あーもうっ。仕事はそろそろ終わりだ。今日は帰ってすぐ寝よ!

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