第8話

Vコール!Vコール!


「平井さん!Vコールだ!」

「オッス!倉藤さん!」


男性のアル中患者が、酒をくれと叫んで暴れている。

他の病棟からも男性看護師が駆け寄ってきた。男性看護師5、6人でアル中患者を抑えつけて、保護室へと連れて行く。


「お前ら、ふざけんなよ!俺をこんな所に閉じ込めやがって!警察に訴えてやる!!」

アル中患者は大声で、罵声を男性看護師達に浴びせた。


「僕達は、味方だよ。奥さん、信じて立ち直るの待ってるよ。」

すると、アル中患者は黙った。


「平井さん、優しいな。僕、暴れる患者苦手。」

「そんなことないスッヨ。倉藤さん。」

「そうかぁ?」


「味方なら、炭酸水買って来てくれ。」

「もちろんいいですよ。」


平井秀知は、炭酸水を買いに行った。


「はい。炭酸水。」

「ありがとう。」

「奥さんのためにも、頑張って下さいね。」

「はい。頑張ります。」

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