伯父さん

この日だけはどうしても無理で何をする気も起きない。どうしたってあの頃を思い出す。

少し寒気がして肩をぎゅっと両手で抑える。

さすれば幾分収まった気がしたけど、それでも恐怖がつい昨日の事の様に蘇る。

ベッドへ潜り込んで体を丸める。


「伯父さん。怖いよ」


目を瞑って伯父さんの最期の姿を思い出す。

頭を撫でて帰ると指切りまでして約束したのに。

どうして。

伯父さん。どうして私を置いて行ったの?

どうして帰ってこなかったの?

どうして?

涙がベッドを濡らしていく。

目を開ければ死なないという現実。

目を瞑れば誰かの最期。


いつも見る残酷な夢。

それはいつだって私を化け物だということを思い知らせる。

お父さん。お母さん。お姉ちゃん。お兄ちゃん。それぞれの最期を思い出す。

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