Chapter 22
なんとなく成り行きでこんな関係になってしまったけど、これは正式な恋愛としてカウントすべきなのかどうか、単なる遊びの関係とも言えなくはないけれど、
でも本人達は遊びのつもりなんて意識では全然無かったりして、どう説明していいのかよく分からない関係・・・なんて思っていた。
「KTさんは、自分達の事を友達とかに話してたりするんですか?」
「ん?誰にもしてないけど、どうして?」
「ほら、女の子達って秘密秘密って言いながら、実はみんなで共有し合っちゃたりするじゃないですか」
「手紙とか交換日記も全部回し読みされたりするし」
「フフフっ、そういう事された経験があるの?」
「今まで付き合った子、みんなそうでしたから。その子の友達とかにいつもジロジロ見られたりとかして、なんかもう恥ずかしくて・・」
「そうだね、特に学生の時って、恋愛関係は、みーんな友達と共有しちゃうよね(笑)」
「ですよね・・・」
「でもさ、私達の関係なんて、友達とかに喋っちゃったらさ、あっという間に拡まって、年下の青年をたぶらかしてる年増女、なんてすぐ変な噂立てられちゃうから絶対に言えないよ(笑)」
「母親の間でもどんどん広まりますからね」
「そうなのよ。どんどん尾ひれがついてね(苦笑)」
「S君は誰かに話した?」
「そもそも最近は誰とも会ってませんけど、なんか、この事は誰にも話さない方がいいかなって」
「どういう関係なのか説明しても理解されなさそうだし、自分も年上の女性をたぶらかして遊んでるなんて言われちゃいそうだし・・・」
「あ、そうだよ! これってもう「年下の彼氏との禁断の恋」になってるじゃんね♪ やったー♪(笑)」
「いやいやいや、その、禁断って感じが全くしないじゃないですか(汗)」
「いやいやいや、これは間違いなく禁断ですよ、おニイさん」
「いやいやいや、なんか違いますって。誰かに禁止されてる訳でもなんでもありませんし」
「いやいやいや、誰にも話せない時点でこれは禁断確定だよ」
「誰にも話せないなら、禁断とか変なタイトル付ける必要なんて無いじゃないですか(苦笑)」
「こういうのは気持ちの問題なの」
「あー私達って世間に認めてもらえない禁断の恋をしてるのね♪って」
「別に認めてもらえない事も無いと思いますけど(苦笑)。それに、そういうのってなんだか独りよがりみたいで、虚しくなりません?」
「女はそういうロマンス小説みたいなシチュエーションに憧れるものなのよ♪」
「傷の舐め合いとか、慰め合いなんて惨めったらしい名前を付けたがる人がそんな事言っても、全然説得力無いですって(笑)」
「フフフっ(笑)、でもなんかロマンチックなドラマが作れそうな関係じゃない?」
「いやいや、自分達の半分はほぼコントじゃないですか(苦笑)、そんなのコメディドラマにしかなりませんから」
「あ、それでもいいじゃん♪」
「そんなのカッコ悪いだけですって(苦笑)」
当時はそんな事を全然意識していなかったけれど、でも思い返すと本当にそのままドラマにしても成り立ちそうな関係だったなと改めて思う。
ただやっぱりその頃は、この関係をどう説明していいのかよく分からず、誰かに話してみたところで理解もされなさそうなので、
ほとんど誰にも話さず、話すとしても、年上の人とちょっと付き合った事がある・・・程度にしか話した事は無かった。
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