Chapter 5
「ねぇ、また誘ってもいい?」
「あ、いつでもいいですよ、予定なんて全然無いんで・・・」
「じゃあ来週も、どこかお店行こっか?(笑)」
「ヒマですから毎週でもいいですよ(笑)」
「ホントに? じゃあこれから毎週付き合ってもらおうかな(笑)」
「ええっ?そんなにいいんですか?」
「私、N市じゃ友達も知り合いも全然いないから、電話代とかもう凄くって(苦笑)」
「それに行きたいお店とかあっても、一人じゃ行きにくいじゃんね。付き合ってくれたらありがたいよ」
毎週なんて冗談で言ってみたものの、まさかそれに乗ってくるとは思わず、ちょっとビックリだったけれど、なんとなく、話し相手が欲しいんだろうなって気がして、付き合ってあげた方がいいかなと、その時に思った。
自分自身も、誰とも話をしたくないと言いつつも、話し相手を求めていたのは多分あったと思う。
「残業とかが無ければ、全然構わないですけど、」
「何か用事がある時はそっち優先で全然いいから、何も予定が無ければちょっと付き合って。イヤだったらあれだけど・・・」
「全然イヤじゃないです・・・むしろ・・・」
「何?望むところ?(笑)」
こんな美人と毎週一緒に過ごせるなんて、嬉しすぎる・・・・
なんて、とても言えない・・(汗)
「あ、そんな感じです」
「フフっ(笑)」
「でも自分なんかでいいんですか? 女性同士とか、同世代くらいの男とかの方がいいんじゃ・・・」
「同じ傷を持つS君だからいいんだよ」
「それに、女友達って今の環境じゃ作るの無理だし、同世代や上の男性って下心が見えちゃってダメなんだよね」
「なら全然構わないですけど・・・」
「良かった。なんかさ、こういう関係も面白いよね」
「浮気された者同士の傷の舐め合い・・みたいな?・・・フフフっ(笑)」
「なんか惨めったらしい言い方だけど、その通りだからなんでもいいですよ(苦笑)」
と、そんな感じで、この、ちょっと不思議な関係が始まった。
なんとなく、新しい何かが始まったような、ちょっとワクワクする気持ちが溢れて来るような、そんな感じがした。
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