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「美桜ちゃんって、何歳?」


「16で、高2です」


「じゃあ、ここにいるみんなと、同い歳だ!敬語無しで、呼び捨てね!」


え、いきなり?


さっき会ったばっかですけど…


てか、友達でもないのに?


「あ、あの私そろそろ帰りますね。迷惑かけて、すみませんでした」


ここに長いすると、この空気にのみこまれそう。


私は一人でいい。


今までと同じ生活でいいの。


孤独でいいの。


いつか捨てられるんだから。


「まて」


立ち上がって部屋をでようとすると、來斗に腕を掴まれた。


「美桜。今日からここで暮らせ」


何言ってるの?


「それはできないよ」


「どうしてだ?」


どうしてって…


「どうだっていいでしょ!?もう、ほっといて!」


私は來斗の手を振りほどき、部屋を飛び出した。


入ってきたドアと、違うドアにでた。


階段で1階に降りることができた。


1階には、人が数人いた。


みんな「誰だ?」みたいな顔で見てくる。


「誰か!美桜をとめてくれ!!」


來斗が上から叫んでる。


けど、誰も私の事なんて知らないし、状況を理解できなくて止めるに止めれなかった。


ここがどこか分からないので、とりあえず走った。


どれぐらい走ったから分からないけど、繁華街についた。


後ろを向くと、誰もついてきてなかった。


制服置いてきちゃった。


財布と携帯だけあれば、大丈夫か。


私は少し休憩しようと、近くのカフェに入った。


はぁ。


どうしよう。


せっかく助けてくれたのに、気を悪くさせちゃったかな…。


友達なんていた事ないから、どうやってつくればいいか分からない。


いつかは必要なくなって、捨てられると思ったら怖くなった。


なんで來斗は、私を助けてくれたんだろう。


なんで皆は、会ったばかりの私を受け入れようとしたんだろう。


制服買いに行かないといけないけど、もう今日はいいかな。


とりあえず、必要最低限の物買いに行こう。


あ、ホテルも見つけないと。


「うそ、あれって桜綺の皆さんじゃない!?」


「え!?本当だ!!」


「ちょ、声掛けに行こ!!」


店内で、女の人たちが騒いでる。


桜綺って言った?


まさか來斗たち?


奥に座っていた為、外からは私の位置は見えないはず。


とにかく、お店出てどこか隠れよう。


私は來斗たちが通り過ぎるのを待って、お店をでた。


表の道通ると見つかる可能性あるから、裏の道通って繁華街でよう。


私は周りを警戒しながら、裏道を抜けていった。


「あれ?美桜ちゃんじゃーん」


名前を呼ばれ振り向くと、いかにも不良って感じの人がいた。


だ、誰?


こんな人知らない。

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