第25話

――翌朝。



伊吹は、少しげっそりとした気持ちで目を覚ました。



(昨日はよく耐えたな、僕)



昨日、後――



キスをしたことにより、気持ちを抑えられなくなった伊吹は、そのまま彼女をベッドへと誘い、いつもより長めの触れ合いをした。



ほんの少しだけのつもりだったのに、ハッと我に返った時、目の前の都古は半裸の状態で、目にはうっすらと涙を浮かべていた。



彼女を怖がらせてしまったのではと思うと同時に――そんな彼女が酷く色っぽく見えて、そう思ってしまったことに、自分自身で激しくショックを受けた。



「ミヤ……」



「もう、やめちゃうの?」



「……っ、うん。これ以上は流石に……」



顔を背けて、彼女のはだけた制服のブラウスの前部分をそっと閉じると、



「そっか……」



都古の残念そうな声が聞こえてきて、伊吹は慌てて顔を上げる。



「……また次も触りたいって言ったら、いい?」



「も、もちろんよ」



赤く染まった顔でこくこくと何度も小さく頷く都古が可愛くて、また触れたい衝動に駆られそうになったが、



「良かった。ありがとう」



今度こそ止められなくなりそうなので、拳をぐっと握り締めてこらえた。



――そこから耐え続けての、今がある。



今朝も彼女を家の前まで迎えに行った時、触れたくて気が狂いそうだったが、何とか耐え忍び、現在は自分の教室の席に着いて、落ち着こうと精神統一中だ。

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ぶらこん!② 紅茶 れもん @kocha-lemon

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