第24話
だからこそ、都古だって彼と一緒に悩んでいきたいと思っているのに。
「それなら……私に相談してくれればいいのに」
「ミヤに……って、どうやって?」
都古の方こそ初めてだと聞いているので、ここは男である自分が優しくリードすべき、と考えていた伊吹にとって、それは予想外の発想で。
「その……お互いに少しずつ触れ合って慣れていく、とか」
「……っ、それだと途中で僕の自制がきかなくなるかも、だから」
また都古の顔を見られなくなって、伊吹が赤くなった顔を慌てて背ける。
「イブくんとなら、それでもいいわ」
「良くないよ。ミヤが痛がって泣いたとしても、途中でやめてあげられる自信なんてないもん」
「じゃあ、出来る限り泣くのは我慢するわ」
「我慢される方が、もっと辛い……」
悲しそうにしゅんと項垂れる伊吹のすぐ隣に、
「私だって、イブくんに我慢されるのは凄く辛いわよ」
移動してきた都古がそっと座る。
そのまま伊吹の肩にそっと手を置くと、彼の体はびくっと強ばった。
「イブくんが私を凄く大切に想ってくれてるのは伝わってるわ。だから、私もそれに負けないくらいイブくんのことが大切だってこと、覚えておいて欲しいの」
「そんなの、とっくにちゃんと伝わってるよ」
やっと都古と目を合わせた伊吹は、照れくさそうに微笑むと、
「でも、気持ちの強さじゃ僕の方が勝ってる」
彼女の唇へと、優しい口付けを落とした。
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