第21話

深く絡む口付けを交わしながら、都古の体を服の上から優しくまさぐっていた伊吹の手は、



「……!」



彼女の太ももを優しく撫で上げるようにしながらスカートの中へ。



下着の上から指先で優しく擦られて、



「んぅっ……!」



初めての感覚と耐えがたいほどの羞恥心に、都古は無意識に体をよじらせた。



その直後、



「あっ……ごめん!」



ハッと我に返った伊吹が、慌てて都古の体を抱き起こす。



めくり上げられて乱れた彼女のスカートを整えて、



「ごめんね、ミヤ! そんなつもりは……!」



都古の顔を見ることが出来ず、伊吹は真っ赤に染まった顔を俯けたまま必死に謝罪。



一方の都古はというと、



「……ううん」



伊吹に負けないくらいに顔を真っ赤に染めて、首を一生懸命横に振った。



「嫌だったよね? 本当にごめんね!」



「そ、そんなこと、ないよ……」



互いに目を合わせることが出来ずに、そんなやり取りをひたすら繰り返す。



埒が明かない、と先に決心したのは都古の方で、



「イブくんだから。嫌なことなんて全くないわ」



「……!」



熱っぽい眼差しの彼女とようやく目を合わせた伊吹は、その熱と色っぽさにあてられて言葉を失くした。



彼女に向かって無意識に伸ばそうとした右手を、



「……っ」



伊吹の中でわずかに残っていた理性が必死に引き止めて、



「……お茶、冷めちゃったね。新しく淹れ直してくるから、ミヤはゆっくりくつろいでて」



大慌てで立ち上がると、逃げるようにしてキッチンへ。

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