第15話

生きにくい世界だというのは、幼い頃から感じてはいたけれど。



窮屈だと感じるようになったのは、割と最近になってからだと思う。



昔も今も、結局は人とは明らかに異なるこのルックスのせいなのだが。



こういう気持ちの晴れない時こそ、



「ミヤ! 何か今日は凄くミヤに会いたかった!」



放課後はすぐに都古のいる教室まで全力疾走するに限る。



始業式とホームルームだけの、授業のない半日だけの登校日だったにもかかわらず、何故だかとても長い一日だったように感じて、早く都古に癒してもらいたくて仕方がなかった。



「朝ここで別れてからそんなに経ってないわよ?」



鞄に荷物を片付けている途中だった都古の傍に、肩に鞄をかけた状態で突っ立っていた風香が呆れて笑い、



「僕には凄く長く感じたんです!」



伊吹はムッと表情を険しくして風香を見据える。



いつもと少し様子が違うと感じた都古は、



「春休みの間、イブくんと過ごす時間が多かったからかな? 私も、今日は何か寂しかったかも」



とにかく彼とよく話をすることが大事だと判断。



伊吹とはこれまでにも何度か気持ちがすれ違ったことはあったが、それらは全て話し合う時間が足りなかったせいだと、今なら思えるから。

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