第6話
彼女も都古同様に他の女子生徒から敵視されてはいるものの、
「ん〜。私のことは別にどうでもいいのよね。ミヤちゃんのことも、推しカップルのことも、すぐ傍で傍観してたいだけっていうか」
彼女には、誰かに向けての恋愛感情が全くない。
恋愛に興味がないわけではないのだが、その対象が全て“推しカップル”へと向いてしまう。
ちなみに、この推しカップルというのは、彼女が脳内で勝手にカップリングさせたイケメン同士や美女同士のこと。
BLが大好きな単なる腐女子とは違って、風香の場合は百合の世界も大好きで。
しかし、そこに自分が加わるのではなく、あくまでも傍観(妄想も含む)していたいだけ。
自分のことへは、一切興味がないという変わった嗜好の持ち主だ。
はっきりと訊ねたことはないが、恐らく都古も彼女の脳内ではどこかの美人とカップリングさせられているはず。
……答えを聞くのが怖いので、これからも訊ねるつもりは一切ないが。
風香も自分の靴箱から取り出した上履きに履き替えながら、
「で? ミヤちゃんは推しとはどんな感じ?」
ニヤリと不敵に笑った。
「どんなって……滅多に会えないのに進展するわけないし……第一、相手は私のことなんて眼中にないもの」
ローファーを靴箱に入れ、肩からずり落ちた通学鞄の取っ手をかけ直した都古が、ムスッとむくれながら親友の方を見る。
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