望まぬ再会
第33話
美紅と知り合ってから、恵愛の中では確実に彼女への憎悪の感情はなくなっていった。
見ていて心配になるほどに、美紅はいい子すぎるのだ。
だからこそ、右京にはもったいないと思ってしまう。
ついつい美紅に余計なアドバイスをして手を焼いてしまうのは、彼女の魅力のせいもあるが……
恵愛に対して失礼な付き合い方をしていた右京には、純粋で素直な美紅を操縦して色々なイタズラを仕掛けて、沢山困らせてやりたいというのも本音だったりする。
クールぶった彼の困った顔を見ると、胸がスッとするから。
そんな感じで、何だかんだと言いつつ美紅とも右京とも縁の切れない生活を送っていると、気が付けば季節は秋になっていた。
学校のバス遠足で京都に行くと言っていた美紅に頼んで、縁結びで有名な神社のお守りを買ってきてもらって。
自分もいつか、本当に大切に愛してくれる人に出会えたらいいな、と願いながら――
その願いとは裏腹に、放課後は継父やSNSで知り合った男たちを相手にパパ活をして、将来の資金繰りをする日々を送っていた。
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