第4話

「この間取りに見覚えない?」




「え………」




私が今いる部屋はお世辞でも綺麗とは言えないほどに散らかっている。でも確かに見覚えがある。居室内に小さなキッチンが設置された六畳ほどのワンルームでロフトが付いている。




「健が…昔住んでたアパート……?」




「そう、今は俺が住んでるんだけどね。」




「そうなんですね…。東京からいつ戻ってきたんですか…?」




「いつだろ、半年ほど前ぐらいかな。忘れた。ていうか、勝手に部屋連れてきてごめんね?俺は、健の家か実家に送ろうと思ったんだけど、イッチーが死んでも帰りたくないって暴れてたから。途中で意識失うし参ったわ。」




「……全然覚えてない。迷惑かけてごめん

なさい…。それより…先輩はなんでこの部屋に住んでるの…?」




「俺?このアパートのオーナーだから。」




「そうだったの……?」




「健んとこに帰りたくないなら当分この家にいていいよ。俺は適当にキャッスルホテルにでも泊まるし。」

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