encounter

dawn

第3話

私は何をしてるんだろう。



混濁する思考を引っ提げたまま、片目を覆う。



左右の視力が僅かに違っているせいで、覆わなかった方の左目がぼやける。



薄ぼんやりとした視界の中で、恭平(きょうへい)がふいに振り返った。



「――終わり。……鈴、帰るぞ」



恭平の拳には赤い鮮血がついていて、横たわっている男の唇の端はやっぱりと言うべきか軽く切れていた。



狙ったのは顔だけじゃなくて、腹部と背中、それから太股も。



恭平には傷一つ見当たらなかった。



だけど、何度か喧嘩を見て恭平が強い事は知っていたから気にはならない。

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