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「福崎先輩って…こんなおブスがタイプだったんですね?」


どうせブスだもん…あたしは…ブスだもん


「ねぇご存知?…この子…元子役なんですって!」


やめて…言わないで…その時の記憶…ないんだから、


すると…駅に着いた、


駅に着くと、あとから降りてくるあたしと


同い年くらいの女の子…


「あのっ!…」って声をかけられる


「さっきき聞こえたんですが、もしかして…ハナちゃんですか?」


って言われた…「ハナ…ちゃん?」


「神坂華美さんですよね?!」


あたしは静かに頷く「あなた…は?」


「あたし…1ファンです!…」


いやいやいやあの〜3年生でファン


「記憶喪失って…聞いて…」


なんで知ってるのと驚いて!


「なんで?」


「引退理由です!」


あたし…記憶喪失で引退になってたんだ、


「また…復帰…しますよね?」


てかよく考えてみたら…この制服、


百合ノ宮学園だよね?降りる駅…間違えてる!


「あのっ!学校」


「次の電車で行きます。だけど伝えたくて、」


「ふっ…こんなブスでも、」


「ブスじゃない!」花谷先輩が言い終わる前に


その子は…叫んだ、


「あたしの…生きる希望…」


目に涙を溜めている、


「あたしは…今でも…性同一性障害の女の子の葛藤をリアルに表現した、"体と心の性別の不一致"が大好きで…あたしの…お姉ちゃんがそうだから、この作品と出会えた事で、お姉ちゃんは…生きる勇気を取り戻したんです、今でも…あの作品を見て…落ち込んだ時見て…励まされています…だから…復帰…してください!」


なんでか分からないけど…涙がボロボロ流れてきた…なんで…忘れちゃったんだろ?

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