第53話

それから後は叶夢の件に触れることはなく、私のお気に入りの場所を巡ってくれて。


いつもと変わらない様子にすっかり忘れていた。

とゆうか、本気だと思ってなかった…




ホテルに入ってすぐ肩を押され、ベッドに押し倒されると半ば無理矢理、口内に舌が入ってくる。


「ん…っ、拓海っ…?」


いきなりすぎて拓海の体を押し返すけど手首を

掴まれシーツに縫い付けられた。



「…なに、どうしたの…」


「覚悟しろって言ってあったよな?」



見上げる瞳には冗談ではない仄暗さが見え隠れしていて…



「今夜は嫌がっても止める気ねぇから。」


制止しようとしても再び始まるキスに唇が塞がれ、手元では服が脱がされていく。


何も身につけてない身体が急に甘噛みされ、


「っ…」


肩を噛まれ、腕を噛まれ、お腹を噛むと最後に

内腿をきつく噛んだ。


「っあ!痛っ…」


噛んだ箇所をゆっくり指でなぞり、這う舌先に

身体が震える。


「男が噛む意味、知ってる?」


「…し、らない…」


「愛情、甘え、不満、それから独占欲。」



お腹の奥に舌がねじ込まれると思わず引こうとした腰が掴まれ、逃げ場をなくした快楽に耐えるしかなくて…



「っん……、ああっ、」


その夜は落ち着いてない身体に何度も拓海の欲を

埋められ、ずっと嬌声を上げ続けた。

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われた砂時計 はな @hana-19

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