第51話

カラフルでいろんな種類のテーブルやソファが並ぶカフェ。

ここにいつか好きな人と来てみたかった。



「そんな嬉しい?」


「嬉しいよ、彼氏が出来たら来るのが夢だったから。」


「んな大袈裟な、」


「そうかな、好きな人と好きな場所にいられるって割と奇跡に近いことだと思うよ?」


「…そっか、

てか、ここへ来るのは俺が初めて?」


「うん、拓海が初彼だからね、」


「アイツとは来てんのかと思った。」



真っ直ぐ射抜くような瞳が私の本質を探っているように見えて、カップを持つ手を止めた。


「…叶夢?」


「そう、親友なんだろ?」


「来てないよ、何か話したの?」


「いいや、軽く挨拶しただけ。」



ジッと見つめられると、やましくないのに言葉が出てこない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る