第49話

「さっき叔父さんとなに話してたの?

拓海くん、良い子だねって言ってたよ。」


「千世の好きなところ。」


「え"!!何て言ったの⁈ 」


「秘密、」


「拓海は秘密が多いね。」


急に立ち止まった拓海を見上げると、真剣な眼差しで私の方を見た。


「気にしてる?」


「ううん、話したくなったらでいいよ。

考えることもあるだろうし…」


私もそうだから、…

   


笑顔を返すと繋いでいた手がギュッと握られ、

表情をやわらげた。


「千世のそうゆうところ好きだし、優しくて

芯があるとこも、話し方も、たまに失敗するとこも、もちろん顔も好きだし、体型も、詳しく言うと…」


「も、もういいから、わかった、

すごいわかったから!」


「そ?」


私も拓海のそう言うところ好きだよ…



ずっと行きたかった場所へふたりで向かいながら、すれ違う人や景色にあの頃を思い出す。

その中に必ずいる叶夢のことも…

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