第46話
漆黒の髪に降り落ちた雪の結晶はキラキラと輝き叶夢を引き立て、そこだけ空気が変わる。
拓海が闇を照らす月なら、叶夢は闇を覆う雪だろう…
「叔父さん、コーヒーふたつテイクアウトしていい?」
「ああ、いいよ。いつもの豆でいいかい?」
「ん、ありがと。」
オーダーを済ませ私の方を見ると、そのまま離れた場所へ腰かける。
「あんまり調子に乗るなよ。」
ひとりごとのように発せられた言葉に「なにが?」と聞くつもりだったけど、扉が開く音に
それを飲み込んだ。
「拓海!」
「おー、千世、今日さみぃな。」
「すぐ準備してくるから!」
「そんな慌てなくていいよ、」
人の気配に、横へ目を向けた拓海と脚を組んだまま顔色ひとつ変えない叶夢との重い空気に割って入ったのが叔父だった。
「拓海くん、こっち座って待つといいよ。
コーヒーご馳走するから。」
叔父の方へ視線を戻すと挨拶をしてカウンターへ座り、私の指先に手が触れた。
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