第42話
グリグリと私の肩に頭を押し付けると腰にまわった両手が身体を引き寄せた。
「俺より千世を知ってんだろうなぁ…」
…これは叶夢のことだよね、
「でも誰にも見せたことない顔、知ってるのは
拓海だけだよ?」
しばらく考える素振りを見せると口角を上げ、
「そりゃそーだな。」
「今、よからぬ想像したでしょ?」
「よからぬって例えば?」
「例えば、……」
「こんなん?」
指で唇をなぞり、一度軽く口付けたあと再び唇を塞ぐと舌が口内に入ってくる。
長いキスに逃げようにも頭の後ろに手を回され、
甘く痺れる感覚にだんだんボーっとしてきて。
そっと唇を離すと私を見て目を細める。
「もの欲しそうな顔して、」
「っ、…」
「千世、俺には何もかもぜんぶ見せて、
ぜんぶ教えて。」
拓海の優しくて、願うような目が私の視界を埋め尽し、少しだけ胸を締め付けた。
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