4.
第39話
秋学期が始まってすぐの頃、叶夢から連絡があった。
『来週ゼミ研修でそっち行く。叔母さんから
預かったもん持っていくから都合つけて』
『わかった』と返し、講義棟から出たところで前の方に拓海がいるのがわかって。
側へ行こうとしたけど拓海に駆け寄る女の子を目にして足を止めた。
仲良さそうに話し、拓海の腕に触れる姿に胸が
チクリと痛み目を背け俯く。
…これって嫉妬だよね、
いくら友達だと言われても触れて欲しくない、
話すのは、…
じゃあ叶夢は、叶夢だけは…
ダメだ… 自分勝手すぎる…
「突っ立ってなにしてんの?」
その声にハッと顔を上げると目の前に拓海がいて。
「どして…」
「どしてって千世を見つけたから、」
「女の子と行ったんじゃ…」
「あー、俺ああゆう境界線のない友達いらねぇから。」
「拓海…」
いつもそうやって私の不安を簡単に取り除いてしまう。
「行くぞ。」
笑って差し出される手が優しくて泣きそうになるから、つい甘えたくなるから、
──…ごめん、ごめんね、拓海
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