第38話
人生に幸せの比重があるなら間違いなく今が一番重いと思う。
初めて拓海と体を重ね、目覚めたあと片付けから洗濯まで全てを終わらせた拓海が私をシーツで包み込み膝へ乗せた。
「身体、へーき?」
「うん、…拓海、ほんとに全部してくれたの⁈」
「あー、まぁ約束だからな。」
「ありがと、
……でも何でいきなり今日だった?」
「最後までした理由だよな、
…そりゃ、俺も男だし我慢の限界はくるだろ、
でも千世にはそうゆう欲求より分かりたい知りたい、みたいなのがいつも上回ってた。
大事にしたいってのもあったし、
なんていうか、千世とはヤりたいっていうより
抱きたいって感覚?」
そんなことを髪を掬いながらサラッと言われ、
顔が熱くて仕方ない…
「耳まで真っ赤、もっかいする?」
「え"っ!!」
耳たぶを甘噛みし、ジタバタする私の首筋や頸にキスしてベッドに横たえるとクククッと笑った。
「嘘だって、さすがにしねぇわ。
腹減ったし、飯にするか?」
体を起こしキッチンの方へ向かいながらまだ笑ってて…
なに、今の⁈
揶揄われた⁈
「…くやしい、」
「なんか言ったかー?」
聞こえてるくせに、
でも拓海が伝えてくれた言葉はどれも丁寧で選ばれてて、自分がちゃんと彼女なんだって思わせてくれた。
これ以上の幸せってもうない気がする…
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