第37話
「えっ、え…、何して…」
「押し倒してんの。」
荷物を置くと、すぐさまベッドに組み敷かれる
この状況に眉間に皺が寄る。
「い、今から⁈」
「そう。」
「片付け…」
「後で俺がする。」
「洗濯、」
「コインランドリーで乾燥までしてくる。」
「ご飯だって、」
「持たされたやつでいける。他は?」
「……、」
「千世は何もしなくていいから。」
そんな熱のこもった瞳で見つめられて断る強さは持ち合わせていない…
それに拓海に触れられるのは嬉しいし、
頷くより早く唇が塞がれ、慣れた手つきで服が脱がされていく。
焦らすように何度も身体を触られながら素肌を
舌先でくすぐられるたび快楽が迫り上がってきて
甘い吐息が洩れてしまう。
胸の尖りをそっと口に含み、蜜で溢れる場所に
指を差し入れたあと熱くて硬いものがあてがわれた。
──えっ、
いつもこれ以上しないのに、
「…っ、拓海……」
縋るように見つめると動きを止め、私の瞳を覗き込んだ。
「嫌?」
「嫌じゃないけど、…少し怖い、」
「ん、優しくするから。」
そのままゆっくり腰を沈めると何かを我慢するように眉を寄せ「大丈夫?」と聞かれて…
初めて知る圧迫感に頷くしか出来ない私の頭を
優しく撫でると少しずつ身体を揺さぶり始めた。
頭が白く霞む中で何度も何度も「好きだ」と言われ、もうどっちの熱なのか境界線がわからないくらい溶け合ったあと、ようやく私も「好き」と紡げた。
あんなに言えず、聞きたかった「好き」だったのに…
抱きしめられる腕の中で幸せを感じながら瞼が重くなり、そのまま深い眠りへと落ちていった。
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