第21話

「ふたりで公園行った日、俺が綺麗だって言ったのは景色なんかじゃなくて千世のことだよ。

なんかしんねぇけど千世から目が離せなくなって、これからの時間を共有してみたいと思った。

許可もなくキスして悪かったけど、衝動が抑えられなかったからつい、って言っただけで軽い気持ちじゃない。

…… なぁ、千世の視界に俺を入れてよ、

俺たち付き合えねぇ?」



耳に届く拓海の声はすんなり入ってくるのに、

頭と心が理解に時間をかけてる。


「何で…」と口から出たわけの分からない疑問に

首を傾げると優しい笑みを見せてくれて。



「何でって、理由がなくても千世と会いたいから、千世に触れたいから。返事はマル?バツ?」



この胸の高なりに素直になっていいなら答えは

もう決まってる。



たくさん頷きながら「マルだよ!」と言う私の肩を抱き寄せる拓海に心臓がうるさいくらい音を立て、それと同時に花火が大輪の華を咲かせた。


「はー、久々に緊張したわ。」



この夜見た拓海のはにかむ笑顔と儚げに消えていく花火の美しさは、きっと永遠に忘れない。

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