第16話

「やべぇな、…」


図書館へ戻り、先に中へ入ろうとした拓海が

張り紙に気づき…


「どうしたの?」


「今日、業者が入る関係でもう閉館してる。」


「うそ、じゃあ、カフェとかファミレス

行く?」


「そうだなぁ、集中したいから俺んちでもいい?

千世が良ければ。」


「……、」


拓海の家⁈ 家にふたり・・・

いいのかな、いや…

でも勝手に意識しすぎても恥ずかしいよね、

彼モテそうだし私なんか、


「何もしねぇから。」


考えが顔に出てたのか、察したように先に言われ顔がカーッと熱くなる。



慌てて頷き「じゃ、行くか。」という拓海の背中を追いかけながら頭の中のモヤモヤを打ち消した。

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