2.
第10話
拓海を知ったのは大学三年の春だった。
講義が始まる前の時間、友達と話していたとき。
「毎年、誕生日に送ってくるってすごくない?
うらやまし〜!!」
予想外の大きな声に焦ってしまう、
たまたま彼女がいた時に届いてしまった叶夢からの花束にさっきからしつこく問い詰められていた。
「小さい頃からの習慣みたいなものだから、
私も贈ってるし。」
「えー!でも好意がなきゃしないでしょ?」
「そんなんじゃないよ、何でも話せる友達。
ほんと親友みたいな…」
「ふ〜ん、男女間の友情ってやつだ?」
頷こうとした時、背後から呆れたような笑いが
聞こえてきて。
「んなもん、成立するわけ?」
突然の声に振り返ると、眠そうに伏せていた体が起き上がり私を見てもう一度笑った。
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