第4話
「おじゃまします…」
「ん、どうぞ〜」
週末は叶夢の部屋で過ごすこともあり、お泊まりセットのような物を一式、置かしてもらってる。
相変わらずの綺麗な部屋・・・
定位置のソファに座っていると、しばらくして
後ろから頭を撫でられた。
「風呂、沸いたから先いいよ。」
「あ、うん。ありがと…」
「一緒に入る?」
何度か誘われるのを、いつものように首を横に振って断ると悲しそうに目尻を下げた。
「まだダメかぁ、いつになったら許される?」
「いつになっても無理。」
「もう全部、見てんのに何でそんな頑なよ?」
「バックヤードは見られたくないものでしょ?」
「さぁ?そんなもん?」
「とにかく無理。」
この話題から逃げるべく、バスルームへ向かおうと立ち上がりかけた肩に叶夢の手が置かれると
ソファへ戻された。
「ちょ、叶夢⁈ 」
顎に指が添えられ、自然と顔が持ち上がると唇に柔らかい感触が当たる。
何度目かの優しいキスのあと、まつ毛が触れる
距離で視線が絡むとイタズラな笑みを浮かべた。
「そのうち勝手に入ってくから、
せいぜい警戒しときなよ。」
「…っ! ほんとにほんとにダメだからね?」
たぶんビールを取りに行くであろう背中に念を押したけど笑うだけで返事はない。
昔から叶夢の方が何でも一枚上手なのだ。
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