第6話

綾子はレズビアンだ。職場の上司にはカミングアウトしている。一人目に交際を申し込まれて困っていたところに相談したのだ。上司も会社も綾子の勤務態度を評価して、受け入れた。上司は相手の男性を慰めながら諦めさせた。


 女子更衣室では恋愛話で盛り上がる。恋愛といってもほとんどは異性愛。彼氏や夫の愚痴。たまに、

「あの人はゲイみたいだよ」

「そう。イケメンだけど諦めよう」

 と、話題になるぐらいだ。綾子は不快ではないがもどかしさを感じた。


 女性達は綾子を無視しているわけではなかった。綾子がトラックや音楽の話をすると、面白そうに相槌を打った。

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