第18話

早速2人は計画を話し合う。いきなりレイラを連れ戻してもジュビアは認めないだろう。国王のフレディが行方不明な現在では『レイラは王の娘で正当なサフィロス王国の王女だ』という証明が出来ない。そこでレイラの身の安全を確保しながら国王を探す事にした。「問題は何処に国王が居るかですね…。」呟くデヴィットにミカエルはある事を考えていた。(ドリスはジュビアがある場所に国王を監禁したと言っていたな。もしかしたら知っているかも?)

「どうかしたのですか?ミカエル様。」不思議そうな顔をするデヴィットにミカエルは昼間のドリスとのやり取りを話す。そして「ドリスなら何か知っているかもしれない。だから協力して貰おう。」と提案した。ミカエルの話を聞いたデヴィットは一瞬浮かない顔をする。レイラを追い出したジュビアの実の娘に『協力させたくない!』と思うのは無理もない。だが、これ以上の考えが思い付かなかった。

「デヴィット…。」ミカエルはデヴィットを見つめ続ける。するとデヴィットはタメ息をつき「今は時間がありませんしね。分かりました。ドリス様に協力して貰いましょう。」と言った。

2人は計画の再確認を始めた。まずドリスから国王の監禁場所を聞き出す。場所を確認したらミカエルが雇った探偵にその場所を調べさせる。そして、国王を見つけたら医療ケアが必要な場合は受けさせた後、レイラと共に城に戻させるというものだ。レイラにはデヴィットから、ドリスにはミカエルから話をする。また念の為にドリスに監視を付け、不審な行動をした場合は記録させすぐにミカエルに報告させる事にした。

「では、ミカエル様。遅くまですみませんでした。お休みなさいませ。」デヴィットはそう言うと静かに部屋を出て行った。話し込んでいる内に時刻は夜中になっていた。ミカエルはベッドの中に入り今日の事を考えていた。(皆はやはりレイラに戻って来てほしいのだな。何とかレイラが戻って来て平和な国になると良いのだが…。)ミカエルは考えながら目を閉じる。そして計画の成功を願いながらしばしの休息を取るのだった―。

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