(第6話)
第16話
「ただいま、デヴィット。」ミカエル達が城の前に立つと扉が静かに開いた。「おかえりなさいませ。買い物は楽しまれましたか?」問いかけるデヴィットに「とても楽しかったわ。ね?ドリス。」「えぇ。素敵なドレスが選べれて良かったわ。」とジュビアとドリスは笑顔で答える。そんな2人を見ながらミカエルは「遅くなってすまなかった。」とデヴィットに謝る。その表情は何だかスッキリしていた。「ミカエル様も気分転換できたみたいで何よりです。」そう言うとデヴィットは3人を城の中に招き入れた。
その日の夕食後。ミカエルが部屋で体を休ませていると扉を叩く音が聞こえた。「どうぞ。」ミカエルが言うと扉が開きデヴィットが入って来た。「ミカエル様。少しお話ししてもよろしいでしょうか?」デヴィットの問いかけにミカエルは頷くと、デヴィットは部屋の扉を閉めた。
「何かあったのですか?」ミカエルはデヴィットを見つめ尋ねる。すると「ミカエル様はあの森の中で女性に会われたのですよね?」とミカエルに問いかけた。『あの森』とは城の崖下にある森の事。そして女性とは恐らくレイラの事を指しているのだろう。だが、素直に話して良いのか分からなかったミカエルは思わず黙り込んでしまう。ミカエルの表情を見たデヴィットは全てを察知した。そして「良いのですよ。無理して答えなくても。」と言い話を続けた。
「実は私はこの国にレイラ様が帰って来てほしいと思ってまして。そこでミカエル様に協力してほしいと思いお願いに伺いました。」デヴィットの話にミカエルは尋ねる。「『戻って来てほしい』って…。貴方はこの城の1人の執事なのだろう?それなのに何故そんな頼みを僕にするんだい?」ミカエルの問いにデヴィットは「理由はあります。まずこの国にはジュビア様やドリス様より、レイラ様の方がふさわしいから。それは執事としての意見だけでなく前王妃の弟として思っているからです。」と強く言った。
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