第34話
森を抜けて村に入った時、すれ違う人々は驚きの顔で迎えた。クルミとシズマは手を振って村の人達に挨拶をした。
ヒロミは益々神妙な顔をしたが、弟夫婦にならって手を振った。チヒロは会釈した。
村の人達は互いに顔を向けて何か話している。嫌悪感よりも驚き。皆、目を大きくさせている。
村の人達はチヒロとヒロミを受け入れるのか。チヒロは不安になった。
「ヒロミ。本当に来たんだな」
一行が振り向くと、60代の老人が栗の木の根元に藁を敷いて座っていた。クルミが、
「
深々と頭を下げた。シズマがチヒロに呟いた、
「村長の
チヒロは息を飲みながらゆっくりと頭を下げた。マサギは、
「ほう。この子がヒロミの娘か。信じられん」
不快というより不可解そうな声。一行はまた頭を下げると家に向かった。
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