第33話
母親のヒロミもチヒロを何度か見やるが何も言わない。クルミは、
「体力があるのね、チヒロちゃん。でも無理しないでね」
チヒロは微笑んで、
「大丈夫です」
学校の武術はそこそこだったが、チヒロは持久力には自信があった。
昼前。
クルミはチヒロに感心した。呉暮村に着くまで、チヒロはほとんど休もうとしなかった。
始めて会う義理の姪と義姉に不安だったが、クルミはそれを払拭した。この2人には少なくとも忍耐力がある。
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