第8話

ミサキは扶桑皇国の現皇帝の姉だった。去年、先代から禅譲されて30歳の皇太子が皇帝になった。


 大地主でもない一般の農家であるシズマとその家族が皇族に陳情し、それが受け入れられるのは尋常ではない。


 扶桑皇国は人口八千万人規模の国だ。大国でもなければ小国でもない。


「お忙しい殿下に迷惑をかけてしまった」

 ヒロミがつぶやく。シズマは、

「そうだよ。姉さんは思い込みが激しいよ。父さんなんか最近、姉さんを心配しているんだからね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る