第5話
チヒロは母親のヒロミがいれば十分だった。ヒロミが忙しければ代わりに従業員と常連客が心配してくれる。
常連客も従業員も女の方が非常に多かった。
女が安心して朝食が摂れる場所を提供するのがヒロミの朝飯屋の理念だった。
中途半端に弱い男は女に威張り散らし、美男子は女を誘惑して貢がせるし、強い男は女を萎縮させる。暴力的な男は論外だ。紳士的で女に遠慮させない男は珍しい。
チヒロにとっても女ばかりの空間は居心地が良かった。わざわざ父親を必要とする意味がむしろチヒロには分からなかった。
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