第29話
「泣き虫さんたちね」
ふふっと私が笑うと、皆は泣きながらも笑顔を見せてくれた。
「なんだか、切ないのは俺だね。
凜太郎さんも彼らも特別。俺だけが違うんだね」
切ない笑顔を見せるのは雅人さんだった。
「何言ってるの、雅人さん。
お客さんだった人で、信用していた人なんて数人だけ。しかも運命で再会したんだよ?
そして今こうして一緒にいる、それって凄い特別なんじゃないの?」
私が言葉をかけると、雅人さんは目を大きくしてそして凄い嬉しそうにした。
「君は俺を喜ばせる天才だ」
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