第28話

「どれだけ、私の過去が地獄だったかわかったでしょ?

正直ね思い出したくもない事ばかりなの。

言葉にこうしてる今だって少し手に汗が滲んで、震えも出るんだよ。


だから一生あの世界に戻る気なんてなかったんだよ。


それでもね、それでもね、助けたい人が、助けたい人達が出来たの。


あんなに嫌だった世界でもね、貴方達の為ならなんでも出来ると思ったの。


話すだけでもこんなに嫌な世界なのに、貴方たちに為なら容易かった。


だってそのくらい大切で、そのくらい掛け替えのないものになってたの」




ねっ、どれだけ、私が貴方たちが大切で、大好きかわかってくれた?っと最後に付け加えると、皆の瞳からは零れそうになるくらいに涙を溜めていた。

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