第14話

いつの間にか意識を失い、目が覚めたら私を食いつくした獣男は居なくなっていた。

ベット脇のサイドテーブルのメモパッドには男の走り書きがあった。

「ごちそうさまでした。」

と私の貞操は硬いはずだったのに、心の隙間に付け込まれ、渉さんの中学の同級生にあっさりと奪われてしまった。



下肢に感じる痛みが昨日の過ちが夢ではないと教えてくれた。


*******


「佑月」


私はホテルのロビーで渉さんと千寿子に会った。


二人はカジュアルな服装でスーツケースを引いていた。

ハネムーンは確か…ヨーロッパ一周七日間だっけ?


「お前も誰かと・・・」


渉さんの中学の同級生の伊澤さんとHしたとは言えなかった。


「渉さん急がないと…」


「あぁ」

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