第27話

内田には多分、俺とゆづのことを認めてもらえた……と思う。



けれど、一番認めてもらわなくちゃならない人たちがいる。



それは――



「えっ? 帰省するの? この時期に?」



地元の田舎にいる、ゆづのご両親だ。



本当はゆづの夏休み期間中に挨拶に行こうと思っていたけど、ゆづはバイトで忙しくて、俺の仕事も盆期間は特に忙しくて、まとまった休みをもらえなかった。



だからそのせいで、今年の盆は帰省出来なくて。



俺の両親からは、



『まだ彼女出来ないの?』



とか電話でせっつかれていて鬱陶うっとうしいから、別に帰らなくてもいいけど。



「……確かに、彼氏見せに来いとは言われてるけど」



ゆづの方は彼氏が出来たことは伝えてあるみたいだけど、相手が俺だというのはまだ言っていないらしい。



俺だと分かった時のご両親の反応を想像すると……正直言って、物凄く怖い。



俺が舞を好きだったというのは地元では有名な話だし、きっとゆづのご両親も知っているはずだから。



そんな俺がゆづに結婚を申し込んだと聞けば――多分、俺の気持ちを疑われる。

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