第4話
[アフゥ ハァ ンムム ショーツの上からでもぉ気持ちぃぃですぅ 見てくれてますか rioの姿ぁ どんなぁ ふうにぃ見えてまぁぁんすぅかぁぁ ぁぁぁぁん」
見てるよ。敏感な娘に見えるよ。
「もっと興奮してほしいぃ のでぇスカートぉ脱ぎますぅ」
地味な黒いスカートに手を伸ばす。
「恥ずかしいぃ 凄く恥ずかしくてぇ ためらっちゃうぅ ハァハァ 頑張りますぅ」
こんなに余裕なくて、この先続けられるか。コメント欄には「がんばれ」や「かわいい」などが流れていく。
「こんなrioなのにぃ ハァハァ ありがとうぅ ムムムゥゥゥ ございますぅ がんばります ハァハァ」
コメント欄には「応援するよ」とか「お気に入り登録したよ」が交じりだす。この界隈にも初心者好きがある程度いるのだろう。スカートは無事?脱ぎ終わった。
「もしかしたらrioのシミ見えちゃうかもぉ 確認できないしぃ ハァハァ 想像したらぁ おかしくぅなるぅ」
さっきまでの、たどたどしさは感じない。初心な娘のスイッチが入って女臭を振りまいているようだ。元々の素質があったのだろうか。追いかけてみても面白いかもとお気に入り登録した。もう風呂の時間だ。続きが気になるが諦めよう。湯舟の中で考える。純朴そうで普通の女の子にしか見えなかったrioがどうやってこのサイトに出会ったのだろう。どうして出演キャストになろうと思ったのか。いろんな情報といろんな環境で溢れてる世界だ。モブおっさんには考え付かないことの方が多いんだ。考えても無駄。そう結論つけて風呂からあがる。寝酒の発泡酒を飲む。無駄と結論付けたのにモヤモヤする。もう一度パソコンを起動する。お気にいりからrioを探す。rioのサムネはなかった。彼女の挑戦の時間は終わったらしい。五十過ぎてたら自分の事は大体わかるだろう。自分的に無謀と思う挑戦をできるか。できるできないでなく、しないを選ぶ。はぁモブだよ。モブはモブらしくと呟き発泡酒を飲み干しパソコンの電源を落とした。また会えるだろうか。目をつぶった。
次の日職場で店長に呼ばれた。
「知り合いの書店で人を募集していてね。誰かいるかいと聞かれたんだ。年齢にこだわりはないけど落ち着いた人が欲しいらしい。もちろん正社員だよ。話だけでも聞いてみるかい」「どうして自分なのですか」「落ち着いてる条件にあってる。覇気はないけど丁寧な仕事をする。この二つで紹介に値すると思ったからだよ」「ありがとうございます。店長がくれたチャンスですのでお話だけでもお願いいたします。あと、聞きづらいのですが、この話が通らなかった時この職場で働けますか」「当然だよ」覇気がないと面と向かって言われた。店長ズバズバ言う人だけど、きちんと見てくれてる人だ。モブらしく気負わないで話を聞きに行こう。
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