第27話
相馬君に連れてこられたお店は、確かにお洒落な雰囲気のお店で。
「ここのノンアルコールのドリンク、凄く美味しいんだ」
相馬君が、メニューに載っている見た目も可愛いドリンクの写真を指差した。
SNS映えのしそうなカラフルなドリンクが沢山並んでいて、どれにしようか結構な時間悩んだ。
注文するものを決めて、店員さんを呼んで……
「あれ? 相馬? 女連れなんて珍しいじゃん」
「まぁね」
店員さんと知り合いだったらしく、相馬君は笑顔で頷いた。
注文したドリンクはすぐに運ばれてきて、
「さ、森川さん。飲んでみてよ」
「うん」
相馬君に勧められるがままに、ピンクからオレンジへのグラデーションが綺麗なドリンクを飲む。
ノンアルコールとは聞いていたし、確かに甘くて美味しいけれど、何だか舌に慣れない苦味も感じる気がする。
「……?」
味わったことのない味に、何とも表現しがたくて、でも感想を言わなくてはと思い、一口、また一口と飲み進める。
そうこうしているうちに、何だか体が熱くてふわふわしてきて、
(あれ……?)
少しずつ、頭がぼんやりとし始めた。
(何か分かんないけど……眠い、かも)
きっと今目を閉じるとそのまま寝てしまう。
それはダメだと本能が警告するけれど、
(……だめ……眠、い)
テーブルに突っ伏して、腕の中に顔を埋めたその瞬間、
「ゆづ!」
聞き慣れた大好きな声がすぐ近くで聞こえた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます