第31話

「……!」



大きな瞳いっぱいに涙を溜めて、必死に痛みを我慢する舞。



指の時とは比べ物にならない強い痛みに、思わずシーツを強く握り締めた。



友季は辛そうな様子の舞を気遣いながら、ゆっくりと時間をかけて舞と完全に一つになる。



「……っ、舞……」



舞の顔を挟むようにして両手で頬に優しく触れる。



「辛いなら、無理しなくていいから」



友季の言葉に、



「やだ……トモくん、やめないで……」



慌てて首を横に振る。



その時に、ずっと我慢していた涙が一粒、ポロリと零れ落ちた。



友季はそれを指で優しくすくい取り、



「分かった。じゃあ、せめて涙は我慢しないで。それまで我慢されると、俺が辛い」



困ったような顔で優しく微笑む。



「……泣いても、途中でやめない?」



その一言で、舞が涙を我慢していた理由を察した友季は、胸がぎゅうっと締め付けられるのを感じた。



シーツを握り締めている舞の手をそっとほどき、お互いの指を絡めるようにして、きゅっと優しく握る。



むしろ、舞が可愛すぎてやめてあげられないかも……」



切羽詰まったような、余裕のなさそうな友季の表情に、舞はまたお腹の奥がキュンとうずいた気がした。



「……っ」



友季は一瞬だけ辛そうに顔をしかめ、



「でも、本当に辛かったら言って。すぐにやめるから」



舞の様子をうかがいながら、ゆっくりと優しく動き始めた。

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