第29話

「やだ」



舞は、慌てて首を横に振った。



「やめないで……もっといっぱいトモくんに触って欲しいもん」



「舞……」



友季は一瞬だけ驚いたように目を見開いて舞を見つめたが、



「……俺をあおった舞が悪いんだからな」



すぐに舞の唇を奪った。



先程までのキスで既に潤ってしまっている舞の唇を、友季が優しく吸うようにして触れると、ちゅっと小さな音が鳴る。



舞の唇をついばむようにして、ちゅっちゅっと小さな音を何度も立てた。



舞の胸に触れていた友季の手が、今度は舞の背中を優しく撫でまわし――



プツッと小さな音が聞こえたと思った瞬間、



「!」



舞は胸元の締め付けが解放された感覚を覚えた。



直後、いつの間にボタンを外されていたのか、舞の肩からパジャマと下着の肩紐がするりと滑り落ちる。



「やっ……!」



舞は慌てて布団で体を隠そうとしたが、



「俺にいっぱい触って欲しいんだろ?」



部屋の明かりをリモコンで薄暗くした友季が、舞から布団を取り上げて、舞の体をそっと押し倒した。



あらわになった舞の胸に、友季が唇を落とす。



ちゅっちゅっ……と、音が鳴る度に、舞の体がぴくっと小さく震えた。



「可愛い……」



嬉しそうに微笑んだ友季は、舞のパジャマのズボンに手をかけて、舞を一糸いっしまとわぬ姿へと変える。

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