第5話
友季の住むマンションは、店から歩いて30分程の場所にある。
30分もあれば、友季から何かしらの返事があるだろうと思っていたのだが――
舞がマンションに到着しても、やはり既読マークは付かなかった。
どこかに出かけているのかとも思ったが、友季の部屋の窓からは明かりが漏れていて。
とりあえず友季から渡された合鍵を使って、マンションのエントランスのオートロックを解除する。
エレベーターに乗り、最上階にある友季の部屋を目指した。
いくら合鍵を渡されていると言っても、本人の許可なく勝手に入ることには抵抗があったので、玄関扉の横のインターホンを鳴らす。
中からバタバタという足音が聞こえて、
「……舞?」
ドアを少しだけ開いて顔だけを覗かせた友季が、舞を見て驚いた表情を見せる。
その友季の顔に、舞は違和感があることに気付いたが、
「連絡したんだけど、音沙汰なくて心配になって……」
先に突然押しかけた理由を説明した。
「心配かけてごめん。俺は大丈夫だから」
そう答えた友季は、それ以上ドアを開けてくれる気配はなく、
「ごめんな、舞。今日は部屋に入れてあげられない」
玄関先で舞を追い返そうとする。
明らかに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます