疑惑
第4話
この日は厨房メンバーである舞たち従業員は全員出勤だが、友季だけがシフトで休みの日だった。
リーダーである
いつもなら自分の休みの日だろうと、少しくらいは店に顔を出しては上田に追い返されている友季が、今日は一度も顔を見せていない。
友季と付き合っているからと言って、友季の休みの日の行動を把握しているわけではない舞は、着替えをしている間もチラチラとスマホを気にしていた。
『無事に仕事終わったよ』
とメッセージを送ったのだが、既読のマークすら付いていないのが気になった。
スマホの画面から視線を移し、バッグの中をチラリと見る。
バッグの内側に付いているオープンポケットに入れている、銀色の鍵。
色とりどりのドーナツを模したキーホルダーを付けたそれは、つい最近渡された、友季の部屋の合鍵。
それをしばらくの間見つめていた舞は、
『今から会いに行ってもいい?』
友季にそんなメッセージを送っていた。
やはり、既読のマークは付かなかったが、
“いつでも俺に会いに来て”
そんな友季の言葉を思い出し、このまま会いに行くことを決意した。
もしかすると、単にお風呂に入っていて返信出来ないだけかもしれないし。
そんな軽い気持ちのまま、舞は友季のマンションを目指して歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます